今回の北欧スウェーデンへの歯科研修は、南口院の全面改装工事期間中、ムシ歯予防先進国の現状を見て予防ベースの歯科治療のコンセプトを確認するため、衛生士の渡辺さんと行ってきました。

写真はスウェーデンの首都ストックホルムにあるノーベル賞授賞式で受賞者の定宿として有名なグランド・ホテルです。ヨーロッパ建築の重厚で荘厳な雰囲気が感じられました。

  

スウェーデンではとても有名だというシェフのお店にも行きました。サーモンなどが有名で魚介のお料理も多かったのですが、中でもこのホワイトチョコとオレンジのデザートが美味しかったです。チョコの甘さとオレンジの酸味が絶妙でした!

さて、本題の歯科研修のお話。スウェーデンでは、国民一人当たりのムシ歯本数が1本あるかないかのレベルの高さ。またスウェーデンと言えばフッ素が有名です。

1960年代から、高齢化社会を予見したスウェーデン政府は、一日二回フッ素入りペーストで歯磨きをし、寝る前に歯間ブラシとフッ素ジェルを使用することを勧めました。
また、歯が生える6ヵ月になったら、母親が子供を歯科医院に連れて行き12歳まで仕上げ磨きをしているそうです。
国民は国民皆番号制で管理され、一年に一回歯科医院でメインテナンスを受けることを義務化されました。

すると、20年で世界一ムシ歯の少ないムシ歯予防大国になりました。そして、国の政策として揚げていた医療費削減に成功しました。歯科医療費だけでなく、医科も含めた医療費削減が実現したのです。

私たちの行っている歯科医療は、お口の中から全身の健康維持につながることを、改めて痛感しました。
すべては予防歯科から始まっていたのです。開業以来行ってきた予防ベースの歯科医療が間違っていないことに自信を深めて参りました。

 

スウェーデンでは現状、ムシ歯はムシ歯菌感染症と言われる生活習慣病の一つなので、口腔内細菌検査(唾液を用いる目に見えないムシ歯菌検査)を行い、母子感染予防を踏まえた個人のムシ歯リスク管理も行っておりますが、これは、当院でも行われている内容です。

 

研修では、ヨーロッパの中でも一番優れた品質を保つTepe(テペ)社の歯ブラシや歯間ブラシ工場の見学もしてきました。歯ブラシは人間工学に基づくグリップで持ちやすく、ブラシの毛は接着剤を使わず先がラウンド加工され素晴らしい使用感です。テペ社の歯間ブラシはスウェーデン国民の7割が愛用していました。

歯間ブラシは、今までハートフル歯科においてはあまりお勧めしておりませんでした。しかし、今回の研修を気に歯ブラシ指導、歯間ブラシの使用、フッ素など院内に取り入れホームケアの充実を図れるような情報提供を勧めていこうと思っております。

先日まで、旅行のお土産として患者様にテペ社の歯ブラシ配布しておりましたが、これを機会に皆さんに使用していただきたい思っております。

こちらは見学でもお世話になった、小児歯科医のマリア先生です。
マリア先生には娘さんがいるとのことで、お子様を寝かせながらする仕上げ磨き(寝かせ磨き)の方法などのお話を伺いました。他にも色々なお話を聞かせて下さったり、多くのことを勉強させて頂きました。
マリア先生、本当にありがとうございました!

 

また、他にも参考になったのが、歯科衛生士さんが個人で開業しているオフィスです。
歯科医院と異なり、削られることのない歯科衛生士オフィスでは、気軽に利用され、次回のメンテナンスまでの期間分の歯ブラシまとめ買いなども行われていました。今回の研修を通じて、ハートフル歯科の予防の世界が世界水準に近づいていることを確信しました。

 

先週土曜日の診療後には、院内研修の一環で、DH渡辺と一緒にスウェーデンから学んだことについてセミナーを行い、北欧から学んだものをメンバー全員で共有することができました。

来年の年間予定を考える時期になりました。 スウェーデンから本物のフッ素について学ぶ貴重な経験ができましたので、来年は、チャンスを見つけてキシリトールについて本場、フィンランドにも行ってみたいと思っております。 すべては、患者さんの笑顔のために・・・


総院長 下田ミナ