こういった小さい頃の癖は、お子さまの歯並びに大きな影響を与えます。中には大人になっても同じような癖が残っている方も珍しくなく、歯並びだけでなくマナー上の問題も発生してしまいます。
舌が低い位置にある、前方にある、歯を押しているといった癖のことを「舌癖」と言い、いつも歯に力を加えており、飲み込む時はさらに強い力で歯を押すことになります。私達は、1日に約2,000回飲み込む作業をしており、その度に強い力で歯を押していれば、当然、出っ歯になりやすくなってしまいます。また、サ行・タ行・ナ行・ラ行がきちんと発音できなくなる心配もあります。さらに、いつもお口を開けている方の場合は、頬の筋肉が発達しておらず、外側から歯を押す力がありません。そのため、より悪化しやすいと言えます。
舌癖がある方は、常に歯に対して前に押し出そうとする力が働いているので、治療をしてもまたすぐに戻ってしまいます。そのため、矯正治療の前に、もしくは並行して口腔筋機能療法を行うことが必要です。口腔筋機能療法では、お水やストローを使って、舌や唇のトレーニングをします。また、干しブドウ、クラッカー、リンゴ、ヨーグルトといった食べ物を使った飲み込みトレーニングもあります。
当院では、口腔衛生指導の一環として、保険診療で口腔筋機能療法を行っておりますので、お子さまの歯やお口周りの筋肉が正常な発達をするよう促したいという方は、ぜひ当院へご相談ください。