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2025年4月8日
こんにちは。三鷹市下連雀にある三鷹ハートフル矯正歯科医院です。
受け口にお悩みの方は少なくありません。これまでは、ワイヤー矯正や外科的手術が受け口(反対咬合)の一般的な治療法とされてきました。
しかし、近年ではインビザラインと呼ばれる透明なマウスピース矯正でも、受け口の改善が可能なケースが増えています。すべての受け口に対応できるわけではないので、歯科医師と相談しながら治療法を決定する必要があるでしょう。
今回は、インビザラインで受け口を治療する際のメリットや注意点、費用・治療期間について詳しく解説します。
目次
受け口とは、下の前歯や下顎が上の前歯や上顎よりも前に突き出している状態を指します。専門的には反対咬合や下顎前突と呼ばれ、見た目に影響が出るだけでなく、噛み合わせや発音、咀嚼機能にも悪影響を及ぼすことがあります。
受け口は、遺伝や成長過程での癖、骨格のバランス異常などが原因とされており、自然に改善することもあれば、成長とともに悪化するケースもあります。
受け口を放置すると、さまざまな健康リスクを引き起こす可能性があります。ここでは、受け口を治療せずにそのままにしておくことで考えられる主な影響について解説します。
受け口の状態では、上下の歯がうまく噛み合わず、食べ物をしっかりと咀嚼することが難しくなります。咀嚼が不十分になると、消化器官に負担がかかるほか、胃腸の不調や栄養吸収の効率低下にもつながる可能性があります。
特に、成長期の子どもや高齢者にとっては、食事の質が生活の質に直結するため、早めの対応が重要です。
受け口によって歯や舌の位置がずれると、サ行やタ行などの発音に影響が出ることがあります。空気の流れがうまく調整できず、言葉が不明瞭になることもあり、特に人前で話す機会が多い方にとっては大きなストレスとなり得ます。
発音の問題は、日常の会話や学習、仕事の場面にも支障を及ぼすため、軽視できません。
受け口を放置していると、上下の歯が自然な位置で噛み合わないため、顎の筋肉や関節に無理な力がかかり続けることになります。その結果、顎関節症を引き起こし、口を開けにくくなったり、顎に痛みや違和感を覚えたりすることがあります。
さらに、慢性的な頭痛や肩こり、首のこりといった全身の不調にもつながるケースがあります。
受け口の状態を長期間放置すると、下顎が前方に成長しすぎてしまうことがあり、顔全体のバランスが崩れる原因となります。いわゆるしゃくれと呼ばれる顎の突出が目立つようになり、見た目の印象にコンプレックスを感じる方も多くいます。
また、歯並びの乱れが進行すると、さらに噛み合わせのバランスが悪くなり、矯正治療がより複雑になることもあります。
インビザラインは、透明なマウスピースを用いて歯並びを整える矯正治療法で、軽度から中等度の受け口であれば対応可能とされています。特に、歯の傾きや生える位置による受け口の場合は、スムーズに改善が期待できます。
ただし、骨格に原因がある重度の受け口には適しません。歯並びを整えたとしても、下顎の突出感が改善されないことがあるためです。その場合は、ワイヤー矯正や外科的治療が必要になることもあります。
適応の可否は患者様によって異なるため、まずは歯科医院で相談することが重要です。
ここでは、インビザラインを用いて受け口を治療する際の主なメリットについて解説します。
インビザラインの最大の特長は、装置が透明で目立ちにくいことです。装着していても他人に気づかれにくいため、見た目に敏感な人や、仕事柄人前に立つ機会が多い人にとって大きなメリットとなります。
従来のワイヤー矯正では、金属の装置が目立ってしまい治療に踏み切れなかった方でも、インビザラインであれば心理的なハードルが下がるでしょう。
インビザラインは自分で簡単に着脱が可能なため、食事や歯磨きの際に取り外すことができます。食べ物が矯正装置に詰まる心配がなく、口腔内を清潔に保ちやすくなります。
ワイヤー矯正では歯を一気に動かすため、痛みや不快感が強く出ることがあります。インビザラインは段階的に歯を移動させる設計になっており、痛みや圧迫感は少ないとされています。
また、金属を使用していないため、装置が口内に当たって傷つけるリスクもほとんどありません。これにより、ストレスの少ない矯正治療が可能になります。
治療を始める前に、3Dシミュレーションを用いて歯がどのように動いていくか、最終的にどのような仕上がりになるかを確認できます。治療の過程をあらかじめ把握できるので、モチベーションを保ちながら取り組むことができるでしょう。
インビザラインは、日常生活における影響が最小限に抑えられる点も魅力です。例えば、楽器の演奏やスポーツをする際にも装置が邪魔になりにくく、違和感が生じにくいため、趣味や仕事を我慢する必要がありません。
また、口元の印象が変わらないことで、治療中でも自信を持って人と接することができるのも、大きなメリットといえるでしょう。
ここでは、インビザラインで受け口を治す際に意識しておきたいポイントについて詳しく解説します。
インビザラインは、歯を動かして噛み合わせを整える矯正方法です。そのため、歯の位置に問題があるケースには対応可能ですが、顎の骨格自体に問題がある場合には十分な効果が得られないことがあります。
例えば、下顎が大きく前に突出しているような骨格性の受け口では、インビザラインだけでの改善は難しく、外科手術を併用した治療が必要になることもあります。
インビザラインは取り外しが可能な点が大きなメリットですが、その分、患者さま自身の自己管理が非常に重要になります。具体的には1日20時間以上の装着が推奨されており、装着時間が不足すると歯が計画どおりに動きません。
治療効果が得られにくくなったり、治療期間が延びてしまったりする恐れがあります。食事や歯磨きのたびに取り外す必要があるため、習慣化しないと装着を忘れるリスクもあります。
受け口の程度や歯の動き方によっては、インビザライン単独では十分に力が加わらないことがあります。そのため、治療中にアタッチメントと呼ばれる小さな突起を歯に装着したり、ゴムを使用したりすることがあります。
これらは見た目や使用感に多少の違和感がある場合もありますが、歯の動きをより正確に導くためには必要な工程です。
インビザライン治療では、治療開始前にすべてのマウスピースが作成されるため、通院の必要が少ないように感じるかもしれません。
しかし、実際には経過のチェックやマウスピースの交換スケジュールの調整、歯の動きに対する微調整が必要です。特に受け口の場合、上下の歯のバランスを丁寧に調整する必要があるため、歯科医師との定期的なコミュニケーションが欠かせないでしょう。
受け口の治療は短期間で完了するものではなく、インビザラインでも半年から2年程度の治療期間を要することがあります。また、治療後には保定装置(リテーナー)を使って歯並びを安定させる期間も必要です。
治療効果を長く保つためには、継続的なケアと定期的なメンテナンスが欠かせません。見た目の改善だけでなく、噛み合わせの安定を含めた長期的な視点で治療に取り組むことが大切です。
インビザラインで受け口を治療する際にかかる費用や治療期間は、受け口の程度や矯正の範囲によって異なります。
軽度な歯並びの問題であれば費用も期間も抑えられるでしょう。骨格的なズレが大きい場合や全体的な噛み合わせの調整が必要な場合には、より長期的な治療と高額な費用がかかる傾向があります。
費用の目安としては、部分的な矯正で30万円〜60万円程度、全体的な矯正になると80万円〜100万円ほどになることが一般的です。自由診療のため、使用するマウスピースの種類や通院先の歯科医院によって価格は変動します。
また、診断料や調整費、保定装置(リテーナー)の費用が別途発生することもあります。
治療期間については、軽度な受け口であれば半年から1年程度、中等度以上であれば1年半〜2年ほどかかるケースもあります。さらに、治療完了後には歯並びを安定させるための保定期間が設けられます。
保定期間も含めると、総合的な治療期間はさらに長くなることを想定しておく必要があります。
受け口は、見た目だけでなく噛み合わせや発音、顎関節の機能にも影響を及ぼす歯並びの問題です。インビザラインは透明で目立ちにくく、取り外し可能なマウスピースを使った矯正方法で、軽度から中等度の受け口には対応可能です。
治療中も快適に過ごせるメリットがある一方で、重度の骨格的なズレには適応できない場合もあり、正確な診断が欠かせません。
費用はおよそ30万〜100万円、治療期間は半年〜2年程度が目安です。自分に合った治療かどうかは、歯科医師との相談を通じて慎重に判断することが大切です。
インビザラインによる受け口の治療を検討されている方は、三鷹市下連雀にある三鷹ハートフル矯正歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院は「全ては患者様の笑顔のために」を医院理念として診療にあたっています。マウスピースとワイヤーを使用したできるだけ歯を抜かない矯正治療をはじめ、ホワイトニングやクリーニングも実施しています。