Blog
2025年5月13日
こんにちは。三鷹市下連雀にある三鷹ハートフル矯正歯科医院です。
「ワイヤー矯正中に装置が外れたらどうしたらいい?」と悩む方もいるでしょう。ワイヤー矯正中に装置が突然外れると、さまざまなリスクが伴います。
では、どうしてワイヤー矯正中に装置が外れるのでしょうか。また、装置が外れるのを防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。
本記事では、ワイヤー矯正中に装置が外れる主な原因と、そのまま放置するリスク、適切な対処方法、装置が外れるのを防ぐためのポイントをまとめました。
ワイヤー矯正の装置が外れる原因は、以下のとおりです。
歯の表面にフッ素を塗布すると歯の質が強化されて、むし歯の予防になります。
しかし、ブラケットを装着する前にエッチングという歯の表面を溶かす処置を行う際、フッ素が塗布されているとうまく処置できない可能性があるのです。そのため、フッ素を塗布している場合には、歯科医師に必ず伝えましょう。
装置の装着時に歯の表面が湿っていると、接着剤の固定力が低下して装置が外れやすくなります。特に唾液が多い場合には乾燥が難しく、外れることがあるでしょう。
ブラケットの周辺に汚れが残っていると、接着力が低下して装置が外れることがあります。
ワイヤー矯正で使用する装置は取り外すことができません。特に、ブラケットの周辺やワイヤーの下には食べかすなどの汚れが溜まりやすいです。これによって、装置が外れやすくなるだけでなく、虫歯になるリスクも高まります。
これらを防ぐためには、歯ブラシだけでなく歯間ブラシやタフトブラシなどを使用して、装置周辺に付着した汚れをしっかり落とすことが重要です。
噛む力が強いことも、装置が外れる原因のひとつです。噛む力の強さは顎の筋力や姿勢、歯並びなどによって個人差があります。特に集中しているときや就寝中に無意識に歯を食いしばる癖がある方、もともと噛む力が強い方はとくに注意が必要です。
噛む力が強いことで装置に過度な力が加わると、ブラケットやワイヤーが外れやすくなります。
噛み合わせが深く、上の歯列が下の前歯を大きく覆いかぶさっている状態を過蓋咬合といいます。この状態では、下の歯に装着した装置に上の歯がぶつかりやすくなります。衝撃が繰り返されると接着剤がはがれ、ブラケットが取れる恐れがあるのです。
硬い肉やせんべいを噛むとブラケットに強い力がかかって外れることがあります。また、粘着性の高い餅やキャラメルは装置にくっつきやすく、取るときに装置が一緒に外れることがあります。そのため、矯正中は硬いものや粘着性のあるものは避けたほうがよいでしょう。
矯正器具を装着した直後は違和感から舌や指で触ってしまうことがあるでしょう。
しかし、装置を舌や指で繰り返し触っているとワイヤーやブラケットが外れることがあるのです。装置はなるべく触らないよう意識しましょう。
金属製の被せ物やセラミック歯は天然歯に比べて表面が滑らかなため、歯科用接着剤がなじみにくいです。そのため、人工歯にブラケットを装着すると、外れることがあります。
ワイヤー矯正の装置が外れた場合、放っておくと以下のようなリスクが伴います。
矯正装置が外れた状態を放置すると歯を移動させる力がかからず、計画通りに歯が動きません。その結果、治療期間が延長になる可能性が高いです。また、装置が外れたまま放置すると、すでに動き始めた歯が元に戻る恐れもあります。
装置が外れたらご自身で判断せず、速やかに歯科医院を受診しましょう。
ブラケットやワイヤーが外れた状態を放置すると、周囲の歯ぐきや頬粘膜を傷つけることがあります。傷ついた箇所から細菌が侵入すると、腫れや痛みが生じることもあるでしょう。
場合によっては、膿を伴う炎症に発展する可能性もあるため、装置が外れたら放置しないでください。
装置が外れたときの対処方法は、以下のとおりです。
ブラケットが外れたときは、応急処置として専用のワックスを使って固定するという方法があります。
奥歯のブラケットが外れると、ワイヤーも外れることがあります。外れたワイヤーの先端は鋭利で、そのままだと頬の粘膜を傷つけるリスクがあるため、小さく折り曲げてください。
頻繁に外れる場合、ご自身で処置を繰り返すと装置が破損するリスクが高まるため、注意が必要です。
アーチワイヤーが外れて飛びだしている場合は、唇や頬を傷つけないよう専用のワックスを使用して固定します。固定できないときは、ワイヤーの先端を爪切りやニッパーでカットし、頬に刺さるのを防ぎましょう。
ブラケットとアーチワイヤーをつなぐ細いワイヤーをリガチャーワイヤーといいます。リガチャーワイヤーが外れたら、爪楊枝などの先端の小さいものでブラケットの側面の溝に押し込みます。その際、無理に力をかけるとブラケットが外れる可能性があるため、注意が必要です。
飛び出た先端をブラケットの側面の溝に押し込めないときは、ワックスで覆って口内を保護してください。
パワーチェーンは2週間ごとに交換するゴム製の連結装置です。装着後2週間を過ぎて外れる場合は問題ありませんが、2週間以内に外れたら矯正効果が減少するおそれがあります。外れた部分は注意しながらハサミで切り取り、口内を傷つけないようにしてください。
セパレーターは歯と歯のあいだに隙間を作るために挿入するゴム製のリングです。装着後は自然に抜け落ちるのが一般的で、次回の受診予定が4日から5日以内であれば放置しても問題ありません。
しかし、次の受診まで10日以上ある場合は、せっかくできた隙間が閉じるリスクがあるため、歯科医院へ連絡してください。
ワイヤー矯正の装置が外れるのを防ぐためのポイントは、以下のとおりです。
装置が外れるのを防ぐためには、歯科医師の指示どおりに検診を受けることが大切です。検診の際にはワイヤーの調整だけではなく、ブラケットやワイヤーの接着状態、虫歯や歯周病の有無などのチェックを行います。
歯科医師の指示どおりに検診を受け、早い段階で調整や補修を行えば、装置が外れるトラブルを未然に防げます。
装置を装着した状態で硬いおせんべいや肉、粘着性の高いキャラメルやガムなどを噛むと、装置に力が加わって外れることがあります。
そのため、ワイヤー矯正中は、硬いものや粘着性の高いものは控えたほうがよいでしょう。また、硬いものを食べるときは小さく切り分け、奥歯でゆっくり咀嚼してください。噛まずに食べられる柔らかめのメニューもよいでしょう。
こうした配慮で装置への過度な負荷を軽減できます。
ワイヤー矯正中はブラケットの周辺やワイヤーの下に汚れが溜まりやすく、接着剤が劣化を起こして外れることがあります。そのため、しっかりとブラッシングをして汚れを除去することが大切です。
歯磨きをするときは歯ブラシだけでなく、タフトブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスを併用し、特にブラケット周辺は重点的に磨きましょう。毎日しっかりとケアを行い、装置周辺に汚れを残さないことで、装置が外れるのを防げます。
矯正器具に慣れないうちは、舌や指でブラケットやワイヤーを触ってしまいがちです。これらの癖があると、装置が外れる原因になります。そのため、舌や指で装置に触れていることに気づいたらやめましょう。
歯ぎしりや食いしばりの癖があると、装着中のブラケットやワイヤーに想定以上の負荷をかけ、外れる原因になります。ストレスが溜まっていると歯ぎしり・食いしばりを引き起こすことがあるため、リラックスできる時間を確保してご自身の心身を労わってあげましょう。
また、上下の歯が触れ合う時間を減らすことで装置へのダメージを減らせます。これにより、計画どおりに治療を進めやすくなります。
ワイヤー矯正の装置は、さまざまなことが原因で外れることがあります。装置が外れたまま放置すると、計画どおりに治療が進まなくなる可能性があるため、速やかに対処することが大切です。
万が一、装置が外れたときにはご自身でできる応急処置を行ったうえで、早急に歯科医院へ連絡を入れて指示を仰ぎましょう。
ワイヤー矯正を検討されている方は、三鷹市下連雀にある三鷹ハートフル矯正歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院は「全ては患者様の笑顔のために」を医院理念として診療にあたっています。マウスピースとワイヤーを使用したできるだけ歯を抜かない矯正治療をはじめ、ホワイトニングやクリーニングも実施しています。