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2025年8月26日
こんにちは。三鷹市下連雀にある三鷹ハートフル矯正歯科医院です。
受け口に悩む方は、子どもだけではありません。受け口は外見的な問題だけでなく、発音や咀嚼への影響、さらには顎関節症などの健康問題にもつながるため、早めの対処が望ましいとされています。
しかし「大人になってからでも矯正できるのか」「治療は痛いのか」「どれくらい費用がかかるのか」といった疑問から、なかなか治療に踏み出せない方も少なくありません。
この記事では、大人の受け口の矯正について、治療の可否やその方法、実際にかかる費用までを詳しく解説していきます。患者さまの不安を少しでも和らげ、前向きな一歩を踏み出すための参考になることを目指します。
目次
受け口とは、上下の歯の噛み合わせにおいて、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態を指します。医学的には反対咬合(はんたいこうごう)や下顎前突(かがくぜんとつ)とも呼ばれ、歯並びだけではなく、顎の骨格に起因するケースもあります。
日常生活では、食べ物が噛みにくい、発音が不明瞭になる、見た目にコンプレックスを感じるといった問題が生じることがあります。
受け口には大きく分けて、歯の傾きによって生じる歯性の受け口と、下顎が成長しすぎることで起こる骨格性の受け口の2種類があります。
歯性の場合は軽度であることが多く、矯正治療によって改善しやすいです。骨格性の場合は治療に外科的処置を伴うこともあります。
また、受け口は遺伝の影響が強いとされており、家族に同じような症状がある場合、子どもの頃からの注意が必要です。大人になってからの矯正も可能ではありますが、子ども時代よりも治療に時間がかかる場合があるため、早期発見と早期治療がより重要になります。
受け口を放置すると、見た目の問題だけではなく、さまざまな健康リスクや生活への支障を引き起こす可能性があります。大人になってからの治療は可能ではあるものの、症状が進行していると治療期間が長くなるケースもあります。
ここでは、受け口を放置することによる代表的な問題をいくつかご紹介します。
受け口の状態では上下の前歯の噛み合わせが逆になっているため、サ行やタ行など、一部の発音が不明瞭になりやすくなります。また、食べ物をしっかりと噛むのが難しくなるため、消化器への負担が増えたり、偏った食べ方による胃腸トラブルの原因になったりすることもあります。
噛み合わせが正常でない状態が長期間続くと、顎関節に不自然な負荷がかかり、顎関節症を引き起こすリスクが高まります。顎の開閉時にカクカクと音が鳴ったり、痛みを感じたりするようになると、日常生活にも大きな支障をきたします。
受け口は下顎が前方に突出しているように見えるため、横顔や正面からの印象に強く影響します。コンプレックスを抱く人も少なくなく、笑顔に自信が持てなかったり人前で話すことを避けるようになったりするなど、心理的なストレスにもつながります。
結論から言えば、大人になってからでも受け口の矯正は可能です。
ただし、子どもの矯正と比べると、いくつかの違いや制限があるため、事前に理解しておくことが大切です。大人の矯正治療は、歯や顎の成長がすでに止まっている状態で行うため、成長を利用した治療ができず、より計画的で専門的な処置が求められます。
特に、骨格性の受け口の場合は歯並びだけでの改善が難しく、外科手術と矯正治療を併用する必要があることもあります。これにより、治療期間が長引いたり、費用が高額になったりするため、医師とよく相談した上で治療方針を決定することが重要です。
一方で、最近では成人向けの矯正技術も進化しており、目立ちにくいマウスピース型矯正装置などの大人でも取り入れやすい治療法が増えています。大人であっても受け口の矯正は十分に現実的であり、症状の程度や目的に合った治療を選ぶことができます。
大人の受け口の矯正には、症状の程度や原因、ライフスタイルに応じてさまざまな方法が存在します。矯正治療というとワイヤー矯正のイメージが強いかもしれませんが、最近では目立ちにくい装置や外科手術を併用する治療法もあり、選択肢が広がっています。
ここでは、代表的な矯正方法をいくつかご紹介します。
ワイヤー矯正は最も一般的な矯正方法で、歯の表面または裏側にブラケットとワイヤーを取り付けて、歯を少しずつ動かしていく方法です。歯の移動量や調整力が高いため、歯性の受け口に対しては特に効果的です。
裏側矯正は目立ちにくいというメリットがありますが、費用が高くなる傾向があります。
マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の矯正装置を一定期間ごとに交換しながら歯を動かす方法です。目立ちにくく、周囲にほとんど気づかれないことから、大人の間で人気が高まっています。
ただし、歯の移動範囲が限られているため、複雑な症例や骨格性の受け口には適応できない場合もあります。
骨格性の受け口に対しては、矯正装置だけでは改善が難しいことがあります。その場合、手術で下顎の骨を後退させたり上顎を前方に移動させたりする手術を併用するケースがあります。治療は見た目の改善効果は大きいですが、手術を伴うため入院や長期の治療期間が必要です。
場合によっては、矯正前に歯を抜いたり、矯正中に補助的な器具(顎間ゴムやミニスクリュー)を使用したりすることもあります。これにより、より正確に歯や顎の位置をコントロールできるようになります。
具体的に何をするのか、何を使用するのか、どのくらいの費用がかかるのかなどは事前に歯科医師に相談・確認しましょう。
受け口の矯正にかかる費用は、治療方法や症例の難易度、通院する歯科医院の方針によって大きく異なります。大人の場合は保険が適用されない自由診療が中心となるため、費用が高額になる傾向があります。
ここでは、代表的な治療法ごとの費用の目安を紹介します。
なお、いずれの治療法でも、初診料や検査料、保定装置(リテーナー)の費用が別途必要になる点には注意が必要です。治療前には費用の内訳や支払い方法、トータルの金額について、歯科医院でしっかり確認することが大切です。
ワイヤー矯正の場合は、装置の種類によって費用が異なり、表側矯正で60〜100万円、裏側矯正では100〜150万円程度が一般的です。定期的な調整費や診察料が別途かかる場合もあるため、総額で確認しておくことが重要です。
マウスピース矯正はおおよそ70〜100万円前後になることが多く、装着の快適さや目立ちにくさを重視する人によく選ばれています。
ただし、適応できない症例もあります。そのため、事前に歯科医師に相談し、診断を受けることが欠かせません。
外科手術を併用する外科矯正(顎変形症の治療)では、保険が適用される場合があります。具体的には、顎変形症と診断され、所定の医療機関で治療を受ける場合、健康保険が適用されることがあります。この場合、総額20〜30万円程度に抑えられることもあります。
ただし、保険が適用されるには条件があるため、すべての患者さまが対象となるわけではありません。
大人になってからでも、受け口の矯正は十分に可能です。見た目の改善だけではなく、発音や咀嚼、顎関節への負担軽減といった機能面の回復にもつながるため、放置せず早めの対応が望まれます。
矯正方法は多岐にわたり、ワイヤー矯正やマウスピース矯正、外科手術を伴う矯正治療など、症状や生活スタイルに合わせて選択できます。費用については自由診療が中心となるものの、場合によっては保険が適用されるケースもあり、事前の確認が重要です。
受け口の矯正治療を検討されている方は、三鷹市下連雀にある三鷹ハートフル矯正歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院は「全ては患者様の笑顔のために」を医院理念として診療にあたっています。マウスピースとワイヤーを使用したできるだけ歯を抜かない矯正治療をはじめ、ホワイトニングやクリーニングも実施しています。