Blog
2025年7月29日
こんにちは。三鷹市下連雀にある三鷹ハートフル矯正歯科医院です。
矯正治療で整えた歯並びを維持するには、リテーナーを正しく装着することが大切ですが、リテーナーに関する疑問をお持ちの方もいるでしょう。「リテーナーって何?」「いつまでつけるの?」という声は珍しくありません。
この記事では、リテーナーとはどのような装置なのか解説します。リテーナーの種類や装着する期間についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
リテーナーは、矯正治療が完了した後に使用する、後戻りを防ぐための装置です。矯正治療によって歯が動くのは、歯を支えている骨が新しく作り替えられていくためです。
しかし、歯を支える骨などの組織が新しい位置で固まるまでには時間がかかります。土台がしっかりとしていない状態のため、元の位置に戻ろうとして歯が動く後戻りが起こりやすくなります。
そのため、リテーナーでしっかりと歯を固定し、周囲の組織が安定するまでサポートする必要があるのです。
リテーナーには、大きく分けて3つの種類があります。ここでは、それぞれの特徴と注意点について解説します。
ワイヤータイプは、細い金属製のワイヤーを歯の裏側に固定するタイプです。フィックスリテーナーとも呼ばれます。
前歯の裏側に装着するため、外からはほとんど見えません。また、保定期間中は固定したまま過ごすため、装着時間を管理しなくてよいのもメリットです。装着忘れによる後戻りのリスクがなく、安定した保定効果が得られます。
ただし、歯の裏側に固定されているため、歯磨きがしにくく、汚れが溜まりやすくなる傾向にあります。虫歯や歯周病のリスクを下げるには、毎日の丁寧な歯磨きに加え、定期的に歯科医院でのクリーニングを受けることが大切です。
マウスピースタイプは、プラスチックでできた取り外しが可能なタイプです。透明で目立ちにくく、人と話したり笑ったりしてもほとんど気付かれません。
形状も見た目もマウスピース矯正で使用するアライナーと似ているため、マウスピース矯正をしていた方は違和感を覚えにくいでしょう。取り外して普段どおり歯磨きができるため、衛生的に保ちやすいのもメリットです。
注意点は、マウスピース矯正中と同様に1日20時間以上装着しなければならない点です。装着時間が不足すると、後戻りする可能性があります。
プレートタイプは、プラスチックのプレートにワイヤーがついた取り外し可能なタイプです。上下の歯が噛み合う部分には何もないため、マウスピースのようにすり減ったり割れたりする心配はありません。そのため、歯ぎしりや食いしばりのある方でも使いやすいでしょう。
また、ワイヤー部分が前歯の表側に沿って装着されるため、保定力が高いのもメリットです。
ただし、歯の表面にワイヤーが固定されるため、口を開けると目立ちやすいのはデメリットでしょう。マウスピースと同様に、取り外しができる反面、装着時間を守らなければ後戻りするリスクがあります。
リテーナーを装着する期間は保定期間と呼ばれ、歯並びを維持するために重要な期間です。
一般的には、矯正治療にかかった期間と同じ、またはそれ以上の期間装着したほうがよいとされています。例えば、2年間の矯正治療を行った場合は、その後2年間保定します。
治療の期間が短い場合でも、骨や歯周組織が安定するまでに時間がかかるため、1年以上は必要と判断されるのが一般的です。
特に、矯正装置を外した直後の半年〜1年程度は、歯が後戻りしやすい時期です。この期間は食事と歯磨きの時間以外、1日20時間以上の装着が勧められます。
歯の位置が安定してきたら、リテーナーの装着時間を減らしていくのが一般的です。例えば、1日の装着時間を20時間から、少しずつ短くして夜間のみの装着にします。
歯が安定するまでにかかる時間は個人差があるため、必ず歯科医師の指示に従い、自己判断で装着を中断しないようにしましょう。
保定期間が終了して完全にリテーナーをやめると、加齢や生活習慣の影響で歯並びが少しずつ変化することがあります。そのため、就寝時など短時間だけでもリテーナーを装着し続けるのが理想です。
特に、歯を大きく動かした方や、口呼吸や舌癖など歯並びに悪影響を与える習慣がある方は、長期的に装着し続けると美しい歯並びを保ちやすくなるでしょう。
リテーナーをいつまで続けるのか、1日何時間程度装着するのかは自己判断せず、定期検診を受けながら歯科医師と相談してください。
ここでは、リテーナー装着時に気をつけたいポイントを解説します。
動かした直後の歯は後戻りしやすいため、1日20時間以上装着する必要があります。取り外し式のリテーナーは、基本的に食事と歯磨きの時間以外は装着が必要です。歯が安定してくると、装着時間を少しずつ短くしていきます。
装着時間を短縮できるタイミングや、リテーナーをやめても問題ないタイミングは治療経過や歯並びの状態によって異なります。自己判断で装着時間を短くしたり装着をやめたりせず、医師の指示に従って装着しましょう。
マウスピースタイプとプレートタイプのリテーナーは、食事の際には必ず外さなくてはなりません。装着したまま飲食すると虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、食べ物を噛んだり熱い飲み物を飲んだりすると破損する場合もあります。
また、リテーナーは一度しか作製しないのが一般的です。装着したままコーヒーやワイン、紅茶など色の濃い飲み物を飲むと、変色の原因となります。
「ひとくちだけ間食を摂りたい」「飲み物を少しだけ飲みたい」といった場合でも、水以外を口に入れる際にはリテーナーを外してください。飲食後に歯を磨いてから再装着する習慣をつけましょう。
リテーナーは毎日使用するため、口の中に含まれる細菌が付着します。リテーナーに細菌が残っていると、口の中で繁殖し、虫歯や歯周病、口臭の原因になります。
食事や歯磨きの前に取り外し、その都度歯ブラシと流水を使って洗浄しましょう。週に1回はマウスピース専用の洗浄剤を使用して洗うと、清潔に保ちやすいです。変形のおそれがあるため、熱湯を使用するのは避けましょう。
リテーナーを外した際は、必ず専用のケースに入れて保管してください。ティッシュに包んだり、むき出しのまま放置したりすると、紛失や破損の原因になるだけでなく、細菌が付着しやすくなります。
また、車の中や直射日光が当たる場所、高温になる部屋などに放置すると、変形する恐れがあるため避けましょう。
万が一、リテーナーを破損させたり紛失したりした場合は、自己判断で装着を中断せずに速やかに歯科医院に連絡しましょう。装着していない期間が長くなるほど、歯が再び乱れるリスクが高まります。
リテーナーを作り直すには2週間から1ヶ月程度必要です。その間に歯が大きく動くと、新しいリテーナーが合わなくなったり、場合によっては再矯正が必要になったりする可能性もあります。
早めに歯科医院に連絡して作り直してもらい、歯並びが乱れるのを防ぎましょう。
矯正治療が完了したあとも、定期的に歯科医院を受診しましょう。歯が動いていないか、虫歯や歯周病になっていないかなどの確認だけでなく、リテーナーのチェックも大切です。
歯並びにフィットしているか、リテーナー自体には問題がないかを確認します。必要に応じて調整することで、歯並びを安定させられるでしょう。定期検診の際には、忘れずにリテーナーを持参しましょう。
リテーナーは、矯正治療後の歯並びを長期的に維持するために欠かせない装置です。固定式と取り外し式があり、歯並びの状態やライフスタイルに応じて選択されます。
特に、矯正治療を完了してから半年〜1年程度は歯が動きやすいため、1日20時間以上の装着時間を守ることが大切です。装着する期間は治療の状況によって異なりますが、保定期間後も就寝中のみ装着し続けるのと歯並びを維持しやすいでしょう。
破損または紛失した場合や、後戻りして装着が難しくなった場合は、すぐに歯科医師に相談してください。
矯正治療を検討されている方は、三鷹市下連雀にある三鷹ハートフル矯正歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院は「全ては患者様の笑顔のために」を医院理念として診療にあたっています。マウスピースとワイヤーを使用したできるだけ歯を抜かない矯正治療をはじめ、ホワイトニングやクリーニングも実施しています。