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2024年11月21日
こんにちは。三鷹市下連雀にある三鷹ハートフル矯正歯科医院です。
MFT(口腔筋機能療法)とは口周りの筋肉を鍛えるためのトレーニングのことで、おもに小児の歯科治療で取り入れられています。舌が本来あるべき位置よりも下がると、歯並びや噛み合わせ、発音や活舌などに影響を与えることがあります。
そのため、早期から口周りの筋肉を鍛えて、舌を正しい位置に導くことが大切です。
今回は、舌の正しい位置やMFT(口腔筋機能療法)のメリットや方法、費用などについて解説します。
目次
舌の正しい位置とは、口を閉じたときに舌先が上の歯の付け根につき、舌全体が上顎全体に触れている状態です。つまり、舌が下の歯に当たっていたり、下の歯よりも下に落ちていたりする場合には、舌を正しい位置に維持できていないということです。
このように、舌の位置が正しい位置よりも下がっていることを低位舌(ていいぜつ)といいます。低位舌の場合には、普段からお口がポカンと開いていたり食べるときにくちゃくちゃと音がなったり、発音のしにくさや活舌の悪さを感じるでしょう。
舌を正しい位置が保てない原因としては、舌の筋力が弱いことが挙げられます。舌の筋力が不足していると、さまざまなリスクが生じることが考えられます。
ここでは、舌が正しい位置にないことによるリスクについて解説します。
舌が正しい位置にない場合、食べ物を飲み込むたびに前歯を舌で押すことになります。その結果、出っ歯になるリスクが高くなるでしょう。
また、お子さまの場合には上顎の骨に舌による刺激が加わらないことで、上顎の発達が進まない可能性があります。上顎が十分に発達せずに小さいままだと、永久歯が生えるスペースが不足してガタガタとした歯並びになることも考えられます。
舌が本来の位置よりも低い場合、口を閉じたときに気道を塞いでしまいます。その結果、ポカンと口を開けて、口呼吸をすることが多くなるのです。
口呼吸によって口腔内が乾燥すれば虫歯や歯周病のリスクはもちろん、細菌やウイルスによる風邪や感染症などにもかかりやすくなるでしょう。
舌の筋肉が十分に発達していない場合、上顎に舌をつけるのが難しくなります。そのため、舌を上顎につけて発音するタ行・ナ行・ラ行の発音がしにくくなります。
また、筋力不足によって舌先が動かしにくいことにより、活舌も悪くなるでしょう。
食事をする際には、自然と上顎に食べ物を押し付けて潰したり、舌を動かして食べ物の形を整えたりしています。
しかし、舌の筋力が不足しているとこのような舌の動きがうまくできません。食べるときにくちゃくちゃと音が出る原因になります。
唾液や飲み物をのみ込んでみると分かりやすいですが、嚥下の際には舌は上顎についた状態になります。
しかし、舌の筋力が弱く舌が下がった状態の方は、食べ物や飲み物が飲み込みにくくなるのです。その結果、むせやすくなります。
舌の位置が正しくないと、睡眠中に舌で気道を塞いでしまいます。そのため、睡眠中にいびきをかくことが多くなるでしょう。
舌の筋力は口元の筋肉にも影響します。舌の筋力が弱いと口の筋力も弱くなり、結果的に顔に歪みやたるみが生じることがあるのです。
MFT(口腔筋機能療法)とはOral Myofunctional Therapyの略で、口周りの筋肉の機能を改善するトレーニングのことです。口周りの筋肉を鍛えることにより、舌を本来あるべき位置に導きます。
MFT(口腔筋機能療法)を行うメリットは、以下の通りです。
矯正治療は歯並びや噛み合わせを整えるための治療ですが、口周りに悪い習慣がある場合には矯正治療の妨げになることもあります。MFT(口腔筋機能療法)で口呼吸や舌癖などを改善することにより、矯正治療をスムーズに進めることができるでしょう。
矯正治療で歯並びや噛み合わせを整えても口周りの悪い習慣があれば、歯並びは後戻りを起こす可能性が高くなります。MFT(口腔筋機能療法)で正しい舌の位置を維持できるようになれば、矯正治療後の後戻りの防止にもつながります。
MFT(口腔筋機能療法)は、指しゃぶりや舌癖などの悪い習慣の改善にも効果が期待できます。そのような悪い習慣を取り除くことにより、歯並びや噛み合わせの改善に役立つこともメリットのひとつです。
MFT(口腔筋機能療法)によって、食べ物や飲み物を噛み砕いたり(咀嚼)飲み込んだり(嚥下)する際に必要な舌の動きを改善できます。その結果、舌の動きがよくなりむせにくくなるでしょう。
MFT(口腔筋機能療法)によって舌の位置や機能が改善できるため、発音や活舌もよくなります。
MFT(口腔筋機能療法)を行うことで舌の筋肉だけでなく、口周りの表情筋も鍛えられます。歪みやたるみが改善されて、表情がよくなるというメリットもあります。
MFT(口腔筋機能療法)は患者さま一人ひとりの状態に合わせてトレーニングメニューが組まれます。ここでは、代表的なトレーニング方法4つについて解説します。
スポットとは、舌の正しい位置を覚えるためのトレーニングです。
まず、舌の正しい位置である上の前歯の少し後方にあるスポットに、アイスの棒などのスティックを当てて5秒数えます。その後、スティックを外して舌先をスポットの位置につけて5秒数えます。この動作を5~10回繰り返し行えば終了です。
ティップは、舌先の力を鍛えるトレーニングです。ティップでもアイスの棒のようなスティックを使用します。
まずは、スティックを口の前に垂直に持ちます。舌先をとがらせてスティックを3秒押します。その後、スティックから舌を離して口を閉じて休憩します。この動作を5~10回繰り返せば終了です。
スティックを舌先で押す際には、舌とスティックの両方で押し合うように行うと、より舌の筋肉を鍛えられます。
ホッピングは、舌を正しい位置に維持するために、舌を持ち上げる力をつけるトレーニングです。
まず、舌先をスポットにつけて、舌全体で上顎を吸い上げます。そのまま口を大きく開けて、ポンッと音が出るように舌を離します。この動作を10~15回ほど繰り返しましょう。
サッキングとは、舌のサイドの部分の筋肉を鍛えるためのトレーニングです。この部分を鍛えることで、食べ物を正しく飲み込めるようになります。
トレーニング方法は、まず舌をスポットにつけた状態で上下の歯を噛み合わせます。その後、舌のサイドの部分で顎の側方をはじくように音を立てます。この動作を10回程度繰り返して終了です。
ボタントレーニングは口周りの筋肉を鍛えるためのトレーニングです。
まずは、紐を通した大きめのボタンを用意します。唇と歯の間にボタンをはさんで口を閉じます。その後、ボタンが口からでないように唇に力を入れながらボタンを引っ張ります。1回30秒を3セット行えば終了です。
MFT(口腔筋機能療法)は、基本的に保険適用外の自由診療となります。そのため、歯科医院によって価格設定が異なります。一般的な相場の目安は、3,000円~1万円程度です。
なお、口腔機能発達不全症と診断された場合には、保険適用内でMFT(口腔筋機能療法)を受けられることがあります。適用になるかどうかは、歯科医院へ確認しましょう。
お口周りに悪い癖や習慣があると、お子さまの歯並びや噛み合わせ、発音や活舌などに影響を及ぼすリスクが高くなります。そのため、早期に口周りや舌の筋力を鍛えはじめることが望ましいでしょう。
「いつも口をポカーンと開けている」「食事をするときにくちゃくちゃと音がなっている」など、お子さまに気になる様子があれば、まずは歯科医院へご相談ください。
MFT(口腔筋機能療法)を検討されている方は、三鷹市下連雀にある三鷹ハートフル矯正歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院は「全ては患者様の笑顔のために」を医院理念として診療にあたっています。マウスピースとワイヤーを使用したできるだけ歯を抜かない矯正治療をはじめ、ホワイトニングやクリーニングも実施しています。